1月9日、埼玉県の新規陽性者数は518人と過去最多を記録しました。7日間の平均値も384人(1月1日時点で250人)と増え続けています。緊急事態宣言の効果が出始めるのは10日から2週間後ですので、仮に今後10日間、毎日400人の新規陽性者が出るとしたら、合計4000人にものぼります。

埼玉県の陽性者数と退院・療養終了者数の推移(埼玉県ホームページより、1月9日現在)
拡大画像表示

 無症状・軽症の方が多いとはいえ、もしこの数の新規陽性者数が続けば、診療が今以上に厳しくなるのは明白です。「医療のキャパシティというバケツから水があふれ続ける」ということです。医療崩壊の定義は定まっていませんが、「コロナ禍前の通常の診療ができなくなること」だとすれば、医療は崩壊している――私はそう考えます。

 日本の「通常の診療」は、諸外国と比べてベッド数が多く、アクセスが良いとされています。「欧米より感染者数がはるかに少ないのになぜ医療崩壊するのか」は、十分に考察すべき重要な疑問ですが(これについては、日本の医療体制が目指すべき道も含めて、別の回で書きたいと思います)、バケツの大きさはすぐには大きくなりません。最も即効性のある介入は、一刻も早く感染者数を減らすことなのです。

政府は具体的な目標の提示を

 以上が医療現場で起こっている現実です。しかし、第一波の時と違って人の流れが止まらない――これも現実です。

 私自身は、家族とはZOOMで会うだけの正月でした。同様に帰省や新年会を我慢された方も多かったと思いますが、テレビのニュースを見る限り、期待していたほど人の出が少なくなったとは感じませんでした。その印象は緊急事態宣言後の今週末も変わりません。

 残念ですが、しかたがないとも思います。1年近くがんばってきた皆さんには、コロナ疲れがあるでしょう。コロナ慣れ、あるいは、自分とは関係ないと思ってしまうのも人間です。メディアがどれだけ発信しても限界があります。扇情的で画一的な報道が裏目に出ているのかもしれませんし、そもそも若い人はテレビを見ません。一番伝えたい人たちにメッセージが届かない。もどかしさを感じますが、自粛や要請の限界ではないでしょうか。