連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第31回。「感染を減らす施行、行動を!」 新型コロナウイルス感染症拡大で厳しい状況が続く医療の現場から、讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が声を上げる。このままでは通常の医療が受けられなくなる!(ヒューモニー)
新型コロナウイルス感染症の拡大が止まりません。医療現場の窮状も毎日のように報道されています。今回は、重症患者を医療現場で診る一集中治療医として、いま私が感じていることを率直にお伝えしたいと思います。
結論から言います。感染患者を減らしてください。
そのために、政府や地方自治体には的確なメッセージ・丁寧な説明とリーダーシップを、みなさんにはあらためて感染予防策(3密回避、マスク、手洗い、体調不良時は外出を控える)の徹底をお願いしたいと思います。
新型コロナ感染症を、「ただの風邪だ」と言う人もいます。たしかに新型コロナウイルスは風邪を起こすコロナウイルスの一種ではありますが、実際に医療現場で診療にあたっている医師のほとんどは、ただの風邪などとは思っていないでしょう。ある程度対処法が確立してきたとはいえ、特効薬がなく、ワクチンもなく(もう一歩です)、感染力が相当度強く、かなり重症化しやすく、かつ重症化が急激に起こる(第22回参照)。しかも、多彩で重い後遺症が出やすいのです(第29回、第30回参照)。