韓国・ソウルの地下鉄の駅(2020年11月30日、写真:ロイター/アフロ)

(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)

 韓国社会が揺れ動いている。文在寅大統領の支持率が、12月第1週の発表で就任後最低を記録したのだ。

 文大統領はリベラル派の「共に民主党」に所属し、その支持者はざっと全国民の40%を占めると言われる。文大統領の支持率が30%台になったのは今回が初めてではない。韓国ギャラップによる調査では、これまでにも2回ある。曺国(チョグク)前法務長官の疑惑が響いた昨年(2019年)10月と、首都圏での不動産高騰が報じられた今年8月だ。だが、いずれのときも盤石な支持層を失うことはなく、支持率を盛り返してきた。

 しかし、今回の39%という発表は、過去2回のものとは様相が異なる。

 韓国ではもう1社、リアルメーターという調査会社も支持率を毎週発表しているが、今回の発表では37%と初めて40%を切った。しかも韓国ギャラップの数値よりも低いのだ。

不動産政策の失敗と法相の失態

 支持率下落の大きな原因は2つある。