不動産高騰が続く韓国のソウル。一般庶民にとって持ち家は夢のまた夢になりつつある

 韓国では現政権に入ってから、不動産価格が高騰する理由を不動産投機をする輩の仕業と断定し、24回の不動産対策を打ち出した。

 文在寅氏が2017年5月に大統領になってからたった3年半の間に24回も不動産対策を出したため、何がどうなっているのか、多くの韓国人はついていけていない。

 しかも、それら不動産対策はほとんど効果を上げられず、いまだに不動産価格は高騰し続けているという現状がある。

 それも、最初はソウルの江南地区だけが上がっていたのが、そこを規制するとソウルの外郭部まで値上がりし、次にソウル全体を規制すると首都圏、さらには他の都市まで不動産価格高騰が続くといういたちごっこを続けている。

 今では全国が不動産ブームで沸いているともいえる。

 特に、20代~30代の青年たちが親から援助を受けたり銀行から借り入れて「ヨンクル(霊魂までかき集めて、ありったけのという意味の新造語)」して不動産(特にアパート)を買うようになった。

 そうなると、韓国政府はさらに厳しい規制を始めた。

 親と同居している子供が家を買う場合、2住宅所持ということで重課税を課し、さらに銀行からの借り入れも住宅担保率を70%から40%未満にして銀行からの借り入れを難しくするなどの対応を始めた。

 これらの規制には、もちろん、それぞれ抜け道はあるのだが、それを書き始めると長くなるのでここでは省略する。

 韓国の一般の国民は、住宅担保、つまり就職して買う家を担保にローンを組んで家を買うのが普通だった。