韓国の人たちは大規模なアパートを好む(ソウルの大規模団地)

 前回の記事(「政府を信じて騙された、貧乏な韓国人が急増中」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63071)で、韓国の不動産価格は異常に高騰していると書いた。

 それは、文在寅政権が始まってから24回にかけて打ち出した不動産政策によるものだと考えられる。

 その元凶といわれた国土交通部長官(キム・ヒョンミ氏、女性)がついに交代することになった。

 しかし、青瓦台(大統領府)では今回の長官交代に対し、次のように説明した。

「不動産政策の失策によるものではなく、これまでキム長官が多くの成果を出したにもかかわらず、もっと多くの要求があり、もっと現場感を持っている体感型政策を推進しポジティブに対処するための人事である」。

 3年半で24回も不動産政策を打ち出し、その度に不動産価格が高騰したというのに、成果を出したというのは一体どういうことなのか。

 与党や大統領の考え方が同じだからである。それは、これまで与党の議員や国土交通部の長官が発した言葉を見るとよく分かる。

 24回の不動産関連政策には、今年7月31日から施行された「賃貸借3法」というのがある。この法律は、賃料申告制・賃料上限制・契約更新請求権制が中心となっている。

 契約更新請求権は、借り手に1回の契約更新要求権を保障し、現行2年から4年(2年+2年)に契約延長することができる。

 例外として、家主は、住宅に家主やその直系尊属・卑属が実際に住む場合だけ契約更新請求を拒否できる。また、この法律は、改正法施行前に締結された既存の賃貸借契約にも遡及適用される。

 これを論じる前に韓国には日本にはない賃貸借の方法があるので、まずそれを説明しよう。