いまや双11は単なるECキャンペーンという枠組みを超えており、芸能イベントの開催や、EC以外の小売店舗によるプロモーションなど、「季節の風物詩」とも言える状況になっています。

テレビ局や各種メディアも双11と連動したイベントを開催している

 日本でも2015年には11月11日前後を「いい買い物の日」として、Yahoo! JAPAN、ファミリーマート、ソフトバンク、TSUTAYAなどがキャンペーンを始めました(2020年に「超PayPay祭」と名称を変更)。これは中国EC文化が、日本に文化的な輸出をした例と言えるのではないでしょうか。

注目集めるライブストリーミング

 中国消費力の代名詞となった双11ですが、今年は金額だけでなく内容にも変化がありました。その一つがライブストリーミング(直播)です。

 ライブストリーミングは、2015年ごろから使われ始めていましたが、2020年は実店舗での販売形式が困難になる中で、改めて注目を集めることになりました。

 従来のライブストリーミングについては、ネット上で影響力を持つセレブリティが知名度を生かして行うものが中心でした。ところが最近では、地方の農家による特産品紹介や、アーティストによる絵画教室やデザイン講義など、これまでライブストリーミングに縁が薄かった層の利用が目立ち始めたのです。

 生産者の顔が見える製品やサービスへの評価、セレブリティのものではない価値観、自身が所属するネットコミュニティでの信頼などを通して消費が活発化し始めたのは、消費志向の転換点と言えるかもしれません。

 iiMedia Researchの「双11EC分析報告書」によると、2020年の上半期だけでライブストリーミングの視聴者数はのべ約500億人、1週間に1回以上ライブストリーミングを行った実況者は約40万人に達しています。今回の双11においてもライブストリーミングが積極的に導入されていました。

2020年の双11で活用されたライブストリーミング販売

 その一方で、約7割のライブストリーミングの実況者が今回の売り上げにどこまで効果があるかわからないと回答しており、ライブストリーミング市場はすでに飽和状態にあるのかもしれません。