ニューヨーク証券取引所(写真:ロイター/アフロ)

 米料理宅配サービス最大手の米ドアダッシュがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場すると、米ウォール・ストリート・ジャーナル米ニューヨーク・タイムズなどが報じた。

時価総額250億ドル超に

 12月中旬の上場を目指しており、上場時の時価総額は250億ドル(約2兆6100億円)以上を見込んでいるという。

 同社の設立は2013年。サンフランシスコに本社を置いている。米スタンフォード大学ビジネススクールのプロジェクトとしてトニー・シューCEO(最高経営責任者)らが設立した。

 米調査会社セカンドメジャーによると、米国における同社の市場シェアは49%で、米ウーバーテクノロジーズの22%、米グラブハブの20%を大きく引き離している。

売上高3.3倍も赤字1.5億ドル

 米証券取引委員会に提出した新規株式公開(IPO)の目論見書(S-1)によると、2020年1~9月の売上高は19億2000万ドル(約2007億円)で前年同期の5億8700万ドル(約614億円)から約3.3倍に拡大した。

 20年9月末時点の配達員は約100万人で、顧客数は1800万人以上。月9.99ドルの会員プログラムの利用者は500万人以上だという。

 一方、この期間の純損失は1億4900万ドル(約156億円)。前年同期の純損失5億3300万ドル(約557億円)から改善がみられるものの、依然赤字が続くという状況だ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で宅配需要が高まっている。しかしウォール・ストリート・ジャーナルは、料理宅配は労働集約型のビジネスで、採算性が悪いと指摘している。

 ドアダッシュの20年4~6月期の純損益は2300万ドル(24億400万ドル)の黒字だった。だが、同7~9月期は4300万ドル(44億9500万ドル)の赤字に転落している。