軍保有のゴルフ場を住宅に

 金融機関役員によると、「韓国内で2020年のゴルフ場買収総額は1兆ウォンを超える見通しだ」という。

 新型コロナの流行で利用者が増加して経営がさらに良くなっていることに加え、金融緩和で民間ファンドなどは投資先を探しており、ゴルフ場は絶好の投資先になっている。

 ゴルフ場をめぐっては全く別の話題もある。

 いくら予約が殺到しているとはいえ、韓国でもゴルフ人口は600万~700万人とみられる。5000万人の人口から見れば10%強に過ぎない。

 大半の国民にとっては、予約ができないとか、1000億ウォンを超える買収とかいっても全く関係ない話だ。

 そんななかで、ソウルにある唯一のゴルフ場の行方をめぐって議論が起きているのだ。

 ソウル北東部の盧原(ノウォン)区に泰陵(テヌン)ゴルフ場という一般人が入れない場所がある。所有者は国防部。軍が保有するゴルフ場だ。

 韓国ではソウルを中心に住宅価格が急騰し、政府は不動産対策に追われている。

「供給不足だ」という批判に応えて2020年8月4日に出した不動産対策に、このゴルフ場を住宅に転用する案が盛り込まれた。

 そもそもどうして軍がソウル市内のゴルフ場を持っている必要があるのか。こう言われると反論しにくい。