現代に息づく島津製作所のもの作り精神

 仏具、気球、バッテリー、マネキン。すべてが、脈絡のないようで、源流では繋がっている。時代の潮流をつかみ、自由な発想に基づいて、新しいものに果敢に挑戦する。この島津のものづくりの精神は、現代にもしっかりと受け継がれてきている。

 それは、後に社員である田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞し、このコロナ禍においてはPCR検査試薬をいち早く開発、販売を実現させたこととも決して無縁ではないはずだ。

 詳しくは『仏具とノーベル賞 京都・島津製作所創業伝』(鵜飼秀徳著、朝日新聞出版、1400円)をご覧いただければ幸いである。

仏具店からスタートし、気球を上げ日本で最初にX線を完成させ、日露戦争「敵艦見ゆ! 」打電の蓄電池を作った。「科学立都」を目指し京都で理科教育器機や人体模型、マネキンなどから医療器機メーカーとしてノーベル賞企業となった島津製作所。創業者・日本のエジソン物語