キャピタルゲイン課税の強化で韓国人投資家は米国株に殺到、韓国内ではIPOが超人気

 コロナ禍の中で今年3月、韓国では株価が大暴落した。

 ところが、3月19日を境に韓国の株価指数は反騰し始め、今では最高値を更新した銘柄がたくさん出てきた。

 世界経済が停滞・後退を続けるなかでの株式投資ブームの到来である。サムスン電子株を買い支えようとした個人投資家(韓国では「東学アリ」と呼ぶ)の動きはこれまでに何度か書いてきた。

(わずかな好材料に色めき、株投資に熱狂する韓国人:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61595

(サムスン株で儲けた韓国人、今度は怒涛の米国株買い:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61308

 さて、こうした株式投資ブームに水をさすかのように、韓国政府は大株主要件を従来の10億ウォン(約1億円)から3億ウォンに下げることを検討していると発表した。

 それより少し前、2023年からすべての株取引において、これまでなかった譲渡税を設けると発表していた。

 年間2000万ウォン(約200万円)までのキャピタルゲインはこれまで通り非課税だが、それを超えたら課税するというのだ。

 韓国政府は「株取引で年2000万ウォン以上儲けられるのは上位5%ほどの人。東学アリの皆さんとは無関係ですよ」と説明する。

 しかし、株価も取扱高も急騰している市場では、2000万ウォンのキャピタルゲインを得ることはそう難しくない。

 それに、韓国政府が説明する上位5%という範囲が何を根拠にしているのかも不明だ。