(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)

 今年(2020年)1月の中国・武漢市における最初の大規模流行以降、新型コロナウイルスは現在も世界で猛威を振るい、多方面に大きな影響を及ぼしています。

 経済活動への影響の1つに、外国との間の移動制限があります。筆者を含む海外駐在員は、日本に一時帰国できない、中国の赴任先に戻れない、後任の駐在員と交代できない、などの制限を受け、その状況が現在も続いています。

 今回はこうした日本人海外駐在員の現状について、筆者の住んでいる中国を例にとってお伝えしたいと思います。

日本への帰国時期が大きな分かれ目に

 新型コロナウイルスの流行は今年1月、武漢市における春節休暇直前の都市封鎖発表を機に、世界的に大きく認知されるようになりました。とはいえ、この時点では、武漢市や湖北省などの感染中心地域を除くと中国国内外で大きな移動制限はありませんでした。