米アップルのスマートフォン「iPhone」には、目覚ましい買い替え需要が見込まれると、米CNBCが8月19日に報じた。とりわけ中国市場の需要が旺盛になるという。
米モルガン・スタンレーの調査によると、現在中国で利用されているiPhoneの約68%は、2年以上前に発売されたモデル。この比率は昨年から8ポイント高く、2017年と比べると20ポイント以上高いという。
要因は「5G」「価格」「販促」
中国人消費者がiPhoneの旧モデルを所有している比率は過去4年間の最高水準に達しており、今後、同国で買い替え需要が爆発的に増えると見込まれる。これに伴い、今年10月から始まるアップルの2021会計年度の業績も目覚ましいものになると、モルガン・スタンレーは予測している。
その要因は主に3つあるという。1つは、アップルが今秋に発売するとみられているiPhoneの次期モデルが、高速通信規格「5G」に対応すること。
2つ目は、今年4月に発売した「iPhone SE」(第2世代モデル)。これは4.7インチ液晶ディスプレーを搭載する普及モデル。価格を399ドル~と、低く抑えながらもプロセッサーは最上位機種「iPhone 11Pro」と同じ「A13Bionic」を採用している。また、今秋発売の次期旗艦モデルの価格も比較的低く抑えられる見通し。こうした価格戦略が中国での需要を押し上げるとモルガン・スタンレーはみている。
このほか、3つ目の要因として、アップルが積極的に進めている下取りセールや割賦払いプログラムがあり、これらも販売の押し上げ要因になるという。