米市場調査会社であるガートナーが6月1日に公表した最新レポートによると、今年1~3月における世界のスマートフォン販売台数は2億9914万台だった。これは1年前に比べて20.2%少なく、同社が統計を取り始めて以来最大の落ち込み。
外出規制で消費減、工場閉鎖で供給滞る
その原因は新型コロナウイルスの感染拡大。これに伴う2つの直接的な要因があったとガートナーは指摘している。まず、感染症対策として、中
国のスマートフォン工場が一時閉鎖を余儀なくされた。これにより部品・完成品の供給が滞った。
そして、世界の多くの国で外出規制が敷かれ、消費者支出が減少した。この時期に消費者が不要不急の消費を控えたため、スマートフォン需要が急減したという。
首位のサムスン2割減、2位のファーウェイほぼ3割減
1~3月のメーカー別販売台数の上位5社は、1.「韓国サムスン電子」、2.「中国・華為技術(ファーウェイ)」、3.「米アップル」、4.「中国・小米(シャオミ)」、5.「中国・OPPO(オッポ)」の順。
首位のサムスンは5533万台を販売したが、この台数は1年前から22.7%減と、大きな落ち込み。2位のファーウェイは4250万台で同27.3%減と、上位5社の中で最も大きく落ち込んだ。ファーウェイのスマートフォン販売台数が前年同期比で減少したのは、これが初めてだという。
アップルは比較的小幅な減少
一方で、3位のアップルは4092万台を販売。減少率は同8.2%と比較的小幅にとどまった。ガートナーによると、アップルは他のメーカーに比べて中国市場への依存が低い。サプライチェーン(供給網)の混乱や小売店舗の一時閉鎖という困難な状況にあったものの、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は他の上位メーカーに比べて小さいという。