新型コロナの第2波が到来する中、医療機関における治療延期が深刻化しつつある(写真:Science Photo Library/アフロ)

 感染の報告がなかった岩手県でも発生が報告されるなど、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が全国で急増している。「Go Toキャンペーン」の是非や飲食店に対する休業要請のように全国的な対策が取り沙汰される一方で、新型コロナの国内での重症化率や死亡率は低く収まっていると見られ、感染抑制と経済活動のはざまで議論が揺れている。

 むしろ恐れるべきはほかにあるのかもしれない。それは第2波の到来に伴う医療機関の治療延期の問題だ。政府や専門家分科会、全国の自治体などからの情報が連日、メディアやSNS、直接の情報発信などを通して伝えられている。そういった報道に接すると、医療機関が直面している「局地戦」の状況がうかがい知れる。

 実際、日本医学会連合加盟136学会の情報発信からは、重症化率や死亡率において一般的な数字とは異なる状況が見て取れる。今回は、医学会の発信を見ながら、警戒すべき医療現場への影響を考察していく。