名古屋の観光を活性化させた徳川家康。右は織田信長

(徳川家康:名古屋おもてなし武将隊)

 2019年11月、名古屋おもなし武将隊は10周年を迎えた。結成10周年の記念イベントの会場には1000名を超える観客が来てくれた。

 2009年に名古屋おもてなし武将隊が発足した時点と2019年末を比較すると、名古屋城の訪問者数は125万人から221万人へと大きく増加した。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調べでは、武将隊の10年間の活動で210億円の経済効果がもたらされたという。この間、名古屋市や国から運営費として約6億5000万円の援助を受けたが、それを大きく上回る結果だ。

 このように、この10年間で名古屋の観光業が伸びた理由はいくつもあるが、その一つが、この名古屋おもてなし武将隊の発足だと言っても言いすぎではないだろう。

 現在、日本は中国・武漢から始まった新型コロナの影響で、観光地はどこも悲鳴を上げている。ホテルなど宿泊施設の倒産なども報道され始めた。地方の観光業にまつわる倒産は、今後さらに増えるだろう。もちろん、新型コロナが収束したからといって、観光業も簡単に以前のように復活できるわけではない。

 それでは、地方の観光業は座して死を待つだけなのだろうか。いや、決してそんなことはない。われわれ名古屋おもてなし武将隊も、リーマンショックによる不況の中で誕生し、名古屋の一大コンテンツになった。この10年の活動をひもとけば、きっとコロナ不況を乗り切る答えがあるはずだ。