コロナ患者を受け入れ、院内感染のリスクにもかかわらず献身的な努力によって医療を支えてきた多くの病院が、急速に経営難に陥りつつあると報じられている。陰圧室という特殊な病室を増設し、人工呼吸器等を増やしたが、その後の患者の減少で空床が増え、多額の投資にもかかわらず収入が減少しているという。

政府による病院支援はいつまでも続かず

 私の知る病院やクリニックの院長の言では、院内、特に外来待合室での感染を恐れ、受診を控えるように医療機関が患者に働きかけ、患者もまた受診の頻度を減らした。その結果、受診者が減り、それによる減収も大きいという。また、外出自粛もあって、高齢者の骨折なども減っているともいう。実際、東京消防庁の速報によれば、救急車の出動件数も、前年よりかなり減少している。

 わが国の診療報酬制度の下では、患者が受診するごとに報酬が支払われる仕組みになっているため、患者数の減少はそのまま収入減となる。請求から2カ月後に診療報酬が振り込まれることから、コロナ患者が増加した影響が最近になって大きく現れてきたのである。

 このような医療機関の経営悪化に対し、政府は第2次補正予算で2兆数千億円を手当てした。確かに、必要な医療サービスを確保するための必要な措置であると思われる。しかし、コロナ感染症が仮に一定期間後に終息するとして、果たしてわが国の医療はコロナ以前の状態に戻るのであろうか。戻らないとすれば、恒久的にこのような支出を続けるのだろうか。