コロナ第2波を前に、医療崩壊を示唆するKPIを設定し、社会全体で共有すべきだ(写真:ロイター/アフロ)

(鈴木正朝:NFI理事、新潟大学教授)

 少子高齢化と人口減少が進むわが国の社会の質を維持し、さらに発展させるためには、データの活用による効率的な社会運営が不可欠だ。一方で、データ活用のリスクにも対応した制度基盤の構築も早急に求められている。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、これまでの経済、社会のあり方は大きく変わろうとしている。

 その中で、日本が抱える課題をどのように解決していくべきか。データを活用した政策形成の手法を研究するNFI(Next Generation Fundamental Policy Research Institute、次世代基盤政策研究所)の専門家がこの国のあるべき未来図を論じる。第6回は理事の鈴木正朝氏の提言だ。(第1回第2回第3回第4回第5回はこちら)

 ※NFIの設立記念シンポジウムが7月7日に開催されます。詳細はこちらをご覧ください。

 地震、津波、豪雨など自然災害が相次ぐ日本。しかも、2011年には原発事故さえ発生した。政府も国民も、次に襲い来る災害は何かということに神経質になっている。首都直下型地震や南海トラフ地震の議論も活発だったが、現実には、次にやってきたのは予期せぬパンデミック(世界的大流行)だった。緊急事態宣言の下、日本中が自粛を余儀なくされ、多くの企業や学校が影響を被り、国民全員が当事者となった。今も目に見えぬウイルスに怯えている。