カメラ系見守りシステムはプライバシーに配慮

 一方、カメラ系見守りシステムでは、カメラセンサーを活用し、居室内にいる利用者の状態を把握することができる。ただ、カメラを取り付けるのは監視と捉えられるため、個人情報保護の観点から問題が生じる可能性がある。また、利用者にとっても常時、自分の姿が見られていることがストレスになることもある。

 キング通信工業株式会社の「シルエット見守りセンサ」は、こういった懸念を払拭するため、見守り対象者の起き上がりやはみ出し、離床をシルエット画像で区別して検知する。映し出された動作や姿勢で職員が確認し、支援や介助につなげることができる。

 上記の見守りシステムを活用することで、夜勤中の職員が利用者の居室まで状態をわざわざ見に行く必要がなくなる。巡回の回数を減らすことができるため、歩行距離も短くなり、身体的な負担が軽くなることに加えて「居室で何が起きているかわからない状態」から脱することで、精神的な負担も軽くなる。

 さらに、転倒や死亡といったイベントが起きた場合は、前後の記録を検証することで、今後の事故発生防止に向けた分析ができる。家族への説明にも活用できることから、スタッフだけでなく、施設管理者などにもメリットがある。

 センサー群はネットワークに接続されており、ステーションで集中的に状態確認することが可能だ。介護士が持つモバイル端末でも確認ができるため、巡回中に通知を受け取り、居室に立ち寄ることもできるなど、効率化の面でも効果がある。

 厚生労働省が従来の機械系の介護ロボットだけでなく、見守りシステムや介護記録支援システムなどのICTソリューションについても介護ロボットの定義に追加したことで、国が進める介護ロボット導入促進のための補助金も活用できるようになり、現在は介護施設のICT化が急速に進みつつある。今後は、ICTを活用して効率化を実現した施設に加算をつけるような施策も出てくる可能性もある。