現場の介護士に負担を強いる介護現場

 介護は現在、大変な人材不足の状況に見舞われている。もともと高い離職率が問題視されていたところに加え、近年のタイトな労働市場の影響を受けて新規で介護士を目指す若者も激減、介護施設が募集をかけても人が集まらない状況が続いている。人手が足りなければ、当然一人あたりにかかる負担は大きくなる。結果として、激務による腰痛や鬱などで離職する介護士が増え、さらに人手が不足するという悪循環が生まれてきた。

 特に、介護現場で特に負担が大きいと言われているのが夜勤である。日中は施設内にいる職員も多いため、負担も分散しているのだが、夜間はスタッフの数が少なくなる。2人で50人の利用者を介護する施設もある。

 夜勤では定期的に利用者の居室を回り、バイタルチェックや就寝状況を確認する。しかし、バイタルの計測や、巡回の足音で利用者を起こしてしまい、日中の生活に支障が出てしまうこともある。

 また、高齢者ともなれば、夜間に体調が急変する場合がある。その際は、少ない医療知識を基に一時対応を迫られることになる。巡回中に急変に気づかず、いつの間にか利用者がお亡くなりになっていたということもあり、大きな精神的ショックを受け、自責の念に耐えきれずに辞めてしまう職員も後を絶たない。

 上記のようなイベントがいつ同時多発的に発生するかわからない状態で勤務しなければならないのが、現在の介護現場であり、介護士の置かれた状況なのである。

 そこで有効と言われているのが、前述した介護ロボットの見守りシステムである。見守りシステムは様々な種類が登場しているが、現時点で大きく2つに分類できる。バイタルセンサーを中心とした見守りシステム(バイタル系見守りシステム)と、カメラセンサーを中心とした見守りシステム(カメラ系見守りシステム)である。

 例えば、バイタル系見守りシステムでは、株式会社パラマウントベッドの「眠りSCAN」という製品がある。ベッドマットの下にセンサーマットを挿入し、ネットワークを通じて、ステーション(管理所、詰め所)にあるパソコンで利用者の状態をリアルタイムで確認できる。

 取得できる情報は心拍数と呼吸数等のバイタルデータに加え、就寝しているのか、覚醒しているのか、さらには横たわっているか、上体を起こしているか──なども把握できる。利用者が夜中に覚醒し、トイレのために上体を起こしたこともわかるので、すぐに職員が駆けつけて支援や介助ができる。眠りSCANは医療機器認定もされており、病棟での利用など利用範囲が拡大している。