江戸時代後期まで、庶民が墓を営むことは禁止されていた(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

(SOBANI編集部 添田愛沙)

 一般的な「お墓」のイメージといえば、お寺や霊園の一区画に立てられた石の角柱に「○○家先祖代々の墓」と名字が刻まれた「家墓」ではないだろうか。亡くなった人の遺骨を骨壺に入れて一つのお墓に納めていく。そのお墓は代々にわたって子孫が継いでいくものだ。

 しかしこの「先祖代々の墓」が今、少子化や非婚、離婚、再婚、事実婚など、多様化し変わり続ける家族のカタチに合わなくなり、限界を迎えている。

 一人っ子同士の結婚だが両家の墓を今後どうしたらいいか、親が亡くなったが遺骨を納める場所が決まっていない、お墓を継ぐ人がいない、独身や配偶者と死別した自分は誰にどう弔われるのか・・・。維持や管理、購入や継承、そもそもお墓自体が要るのかどうか。それとも散骨や樹木葬、手元供養など「お墓」以外の「新しい」埋葬方法や弔い方を選ぶのか。混乱期を迎えているともいえる「お墓」の今、悩みや不安は人の数だけあるのではないか、と思える。