上海のスーパーで売られている加熱式食品(筆者撮影)
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(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)

 新型コロナウイルスの影響で、中国各地でマスクの次に品切れが続出したと言われるモノがある。それは「加熱式食品」だ。

 コロナ禍を受けた中国では、まずカップ麺などのインスタント食品が店頭から姿を消した。同時に、巣ごもり消費として一気に需要が加速したのが、加熱式の容器を使った加熱式食品だった。

 日本でも加熱式容器を使った駅弁が売られている。だが、中国で加熱式食品は「温めて食べる弁当」という感覚ではなく、インスタント食品の一種という位置づけでスーパーやコンビニなどで広く売られている。

 白米、粥、ラーメン、カレーライス、中華料理など様々な種類があるが、最初に人気が出始めたのは「加熱式火鍋(加熱式鍋)」だ。この言葉はネットの流行語にもなった。加熱式火鍋は、乾燥野菜や豆腐、春雨、スープの素などが入った激辛味のインスタント鍋料理である。