台湾海峡を通過中の米海軍ミサイル駆逐艦ラッセル(出所:米海軍)

(北村 淳:軍事社会学者)

 南シナ海、台湾周辺、そして東シナ海における米中の軍事的緊張が高まっている。アメリカ海軍も、定例業務化してしまった南シナ海でのFONOP(公海航行自由原則維持のための作戦)に加えて、軍艦の台湾海峡通航など中国に対する軍事的牽制姿勢をより強化している。

 天安門事件発生日と同じ6月4日には、先月に引き続いてアメリカ太平洋艦隊所属のミサイル駆逐艦ラッセルが台湾海峡を通航し、香港国家安全法制定に対する抗議、それに「台湾に手を出すな」という意思表示を行った。

新型コロナ対策を実施しながら台湾海峡を通過中のラッセル艦内(出所:米海軍)

 そしてラッセルが台湾海峡を通過している頃、台湾海峡南部の台湾浅堆では、台湾沿岸警備隊巡視船が中国浚渫船を拿捕して乗組員を高雄に連行するという事件が発生した。