「デジタルマーケティング担当者にデータ分析を任せたくとも、任せられる人材は決して多くありません。一方、さすがに経営者自身がWEBサイトのPDCAを回すのは非効率的ですし、自分自身がキャッチアップするにも時間がかかります。

 ならば、経営者が数字を見て心配するより、担当者の方のセカンドオピニオンはAIに任せてしまったほうがいいと思うのです」

 ではこの「AIアナリスト」、どんな結果が出せるのか。これまで「AIアナリスト」が提案に従って、実際にユーザーが自社のサイトで行った数千件の改善施策の73%でCV数の増加やCVRの改善など、売上につながるKPIが改善した。直近でも、B2BサービスのWebサイトで、「AIアナリスト」を12カ月利用したユーザーの改善は平均1.5倍となっており、中には約2倍にもなったユーザーもいるなど、結果は劇的に変わるという。

「しかし世の中を見ると、今も担当者が“次はこう変えてみようかな”と頭を悩ませている会社が少なくありません。確かに『広告』と言えば、昔はもっとふわっとしたものだったでしょう。人がつくり“あれ? 変えたら売れなくなったね”などと話し合うくらいが限界だったでしょう。しかし、これは過去の光景であるべきです。ネット時代の広告は方程式でできています」

 WACULは今、これまで説明してきた事業を軸に別のサービスの提供も始めた。例えば「AIアナリストSEO」。ユーザーが検索するキーワードをAIが分析、「現在検索されているキーワードと似ているが、まだ検索されていない類語」などを検出し、機会損失を防ぐ仕組みだ。さらには「AIアナリストAD」。広告運用ノウハウもシステム化し、例えば「Yahoo!がいいのかGoogleがいいのか?」といった媒体間の予算配分も最適化する。

 最後に、大淵氏はこんな話をする。

「複雑だとお感じになるかもしれませんが、これは素晴らしいことだと思うのです。広告は一方通行でしたが、今後はデータによって『対話』ができます。その過程で“どのワードがどの層の心を掴んだのか”などアウトプットが複雑になったのは事実、そこを『見える化』でなく『わかる化』するのが当社なのです」

(企業取材集団IZUMO)