例えばメールディーラーという企業では「AIアナリスト」の提案に従ってお問い合わせフォームへの誘導をスムーズにすることで、サイト閲覧者の中で問い合わせをしてくれる人の割合が3%台から5%台へとアップした。大手結婚相談所のツヴァイでは、主要ページから過去に制作した記事に誘導することによりCV数を大幅に向上させた。人間は「随分前につくった記事だから、特に目立たせて誘導すべきものではないだろう」としか感じていなかったが、AIだからこその改善提案だった。

WACULが提供する「AIanalyst」の画面。様々な改善提案が言語化されている
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AIは他社と相乗りする時代

 大淵氏の原点は、人力で行っていたコンサルティングだった。

「当時から多くの業種とお付合いがありました。例えばECの企業なら、アパレル、雑貨、家電、食品など、ほぼオールジャンルです。ほか、不動産、人材、エステ、ホテルなど様々でした」

 大淵氏らは企業が求めるゴールを目指し、改善提案をしていった。ホームページの内容も異なれば、目的も異なった。仮にECなら「商品の購入」、不動産や人材の企業なら「ユーザーからの資料請求」、エステ、ホテル、レストランなら「ご予約」とそれぞれ違った。だが大淵氏は“課題解決方法の一部はパターン化している”と感じた。それが「Google Analytics」のデータを使って具体的にどこを改善するかだった。

 ここを突き詰め、AIに特化して行ったのは理由あってのことだった。