つまり、この段階で、できもしないことを言って、東京都民の危機意識を煽ったのだ。脅した、と言ってもいい。
ここから「ロックダウン」という言葉が日本人の間にインプットされ、諸外国のような都市封鎖が起こるという印象を植え付けたはずだ。
「都市封鎖」の大本営発表にほいほい乗っかるマスコミ
ありもしないことを言って、相手を脅す。強迫の構図で相手の心を奪ってコントロールする。それはいわゆるカルト宗教の手法と同じだ。
オウム真理教の教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)は、20世紀の終わりに「ハルマゲドンが来る」と予言して、それに怯えた若者を絡め取った。あるいは個人的に「地獄に堕ちる」と相手を脅して修行に駆り立て、心を支配した。その顛末は語るまでもない。
「ロックダウン」発言をした小池都知事は、統治者というよりも、むしろ、数多あるカルト系新興宗教の教祖様に近い。
ところが、このロックダウンという響きが斬新だったのか、メディアもこの言葉を使いはじめる。首都封鎖はあるのか、と言ったような、これまた掻き立てるような伝え方をしたところもあった。そこに法的根拠もなければ、実現の裏付けもないのに。