新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、人と人との距離を開け、接触機会を減らす「ソーシャル・ディスタンシング」(社会的距離)の重要性が叫ばれている。
こうした中、米アマゾン・ドット・コムは3月中旬に米国の物流施設の従業員に対し、6フィート(約1.8メートル)の距離を取ることなどを義務付けた。
米CNBCによると、その後、同社はこの規則に罰則を設けている。このことで従業員に不安が広がっているという。
故意の違反で厳重注意、2回で解雇処分の恐れ
規則に故意に違反した従業員は文書による厳重注意を受ける。厳重注意を2回受けると、解雇処分となる場合もあると、広報担当者は述べているという。
新たな規則は全米の物流施設で導入された。その中には東京ドーム約4個分の巨大フルフィルメントセンターもあり、そこでは数千人の従業員が働いているという。
アマゾンの広報担当者は、「従業員の中には故意に違反を犯す人がいるが、それは本人と他の従業員を危険にさらす行為だ。社会が危機に直面している今、重要な仕事を担う従業員の健康と安全を守るために特別の措置を取っている」と説明している。
しかし、アマゾンがどのように違反を確認するのか、その明確な基準とは何か、などが明らかになっていないという。中には不当に処分されるのではないかと不安を抱いている従業員もいるとCNBCは伝えている。