3月18日に開催されたサムスン電子の株主総会(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 韓国は、別名をサムスン共和国とさえいわれる。

 サムスン電子は韓国を代表するグローバル企業で、時価総額は韓国内では圧倒的な1位(3月26日現在、290兆1314億ウォン)。2位のSKハイニックス(同61兆3706億ウォン)とは4倍以上の開きがある。

 新型コロナウイルスにより世界の株価指数は暴落を重ねているなか、今年1月頃から韓国では若者から専業主婦、退職世代に至るまでサムスン電子の株を買うブームが起きている。

 これまで韓国は1997年後半のIMF(国際通貨基金)金融危機、2008年のリーマンショックなどを経験した。

 この際、深刻な株価低落に見舞われたものの、いずれは元に戻るばかりかさらに成長を続けるという学習効果を得ていることによる。

 もちろん、それらの危機で上場廃止となり紙屑となってしまった株式もある。しかし、ことサムスン電子だけは間違いなく危機を乗り切り、さらなる成長路線に乗せてきた。

 サムスン電子なら間違いないという気持ちが韓国民の中に醸成されてきたのだ。

 今回の新型コロナウイルスによる急激な株価暴落局面で、「再び大きなチャンスが巡ってきた」と、韓国の個人投資家たちは考えた。

 サムスン電子に自分の持ち得る限りの力を振り絞って投資するという現象が生まれている。