2月13日、決算発表の席上、「送料無料化」サービスについて説明する楽天の三木谷浩史会長兼社長(写真:つのだよしお/アフロ)

 楽天市場で3980円以上購入すれば送料無料――昨年秋、アマゾンへの対抗策として楽天がこの施策を打ち出した時、送料負担に反発した出店者の一部が任意団体「楽天ユニオン」を結成し、波紋が広がった。

 年が明けた1月22日、「送料無料化は独占禁止法が禁じる優越的地位の濫用に当たる」として、楽天ユニオンは公正取引委員会に調査を求める陳情書を提出した。

 公取委の反応は早く、2月10日に楽天に立ち入り検査を実施。それでも楽天が予定通り3月18日から送料無料化を実施する意向を見せると、公取委はさらに強硬策に出る。2月28日に、無料化停止を求める緊急停止命令の発令を東京地裁に申し立てたのだ。公取委が同命令を申し立てたのは16年ぶりという。

規約違反を重ね、楽天市場を強制退店に

 東京地裁の判断は3月中旬にも出ると見られるが、公取委を動かした楽天ユニオンの代表者のほうにもある“問題”があるという。

 出店者の1人として、楽天ユニオン設立を主導した勝又勇輝代表(33歳)は、静岡県の専門学校を卒業後、システム会社勤務を経て、23歳だった2010年に個人事業主として楽天市場に出店した。12年に2店舗目を出し、その後、株式会社シャイニングを設立して法人運営に移行した。

 勝又氏は2店舗で家具や雑貨などの販売を続けていたが、ほどなく規約違反を起こしはじめたという。

「楽天市場の規約で禁じられている精力剤やアダルトグッズの販売、在庫を確保せずにオークションに出品、商品発送前にクレジットカードの売り上げを請求するなどの行為が次々と発覚したのです」(楽天市場関係者)

 楽天市場ではとくに偽ブランド品の販売を厳しく禁じ、出店者は、許可ブランド品以外は取り扱わない誓約書を提出している。

 勝又氏も誓約書を提出したと見られるが、10ブランドを超える未許可品の販売が発覚した。この時、規約違反を今後行えば契約解除(強制退店)に了承する旨の誓約書を改めて提出した。しかしその後も複数の規約違反を起こしたため、楽天は14年に強制退店したという。