第3四半期決算について説明する孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長(筆者撮影)

(大西 康之:ジャーナリスト)

「真っ赤かの大赤字」で始まり「反省」という言葉を20回使った前回の決算説明会から3カ月。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義社長が、2019年10月〜12月の決算説明会に登場した。

 前回の7月〜9月期決算でSBGはウィーワーク、ウーバーなどソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が投資しているベンチャー企業の評価を見直し、創業以来、最悪となる約7000億円の大赤字を計上したが、孫社長は「反省するが萎縮はしない」と大見得を切った。さて今期はどうか。通常、さして注目されない第3四半期決算にも関わらず、東京プリンスホテル2階、鳳凰の間には、テレビ局のクルーを含む報道陣が大挙した。

2兆円超の売上高に対し25億円の営業利益

 午後4時、孫社長は、米通信子会社スプリントとTモバイルの合併が認められることになったニュースを持ち出し、第一声を発した。

「潮目は変わった」

 SBGは6年越しでスプリントの再建に取り組み、同社が抱える巨額の負債がSBGの重荷になっていた。Tモバイルと合併してスプリントが連結対象でなくなれば、SBGの財務はその分だけ改善する。

巨額負債を抱えるスプリントが連結対象から外れれば、ソフトバンクグループの財務内容も大きく改善するという(筆者撮影)