「楽天市場出店者友の会」による記者会見で設立の経緯を語る「DIY FACTORY ONLINE SHOP」の山田岳人社長(筆者撮影)

(大西 康之:ジャーナリスト)

「我々は送料無料化に賛成する」

 楽天が運営するネットショッピング・サイト「楽天市場」に出店する主力店舗が「楽天市場出店者友の会」を立ち上げ、声を上げた。

 楽天は3月18日から3980円以上の商品の価格表示を「送料込み」にする方針を打ち出している。これに対し、任意団体の「楽天ユニオン」が「送料無料は弱小店舗に負担を強いる」と訴え、調査に乗り出した公正取引委員会は「優越的地位の乱用になる恐れがある」として東京地方裁判所に「緊急停止命令」を出すよう申し立てた。

 しかし長年、楽天市場でビジネスをしてきた主力店舗は「楽天ユニオンの主張が店舗の総意ではない」という。彼らは、勢力を拡大するアマゾン・ドット・コムに対抗する上で、送料無料化は「止むを得ない施策」と考えており、「強い楽天が弱い店舗を搾取している」という「楽天叩き」の報道で楽天市場のイメージが悪化することを何より恐れている。危機感を高める主力店舗は3月5日、「友の会設立準備委員会」を立ち上げ、記者会見を開いた。送料無料化に賛成する「友の会」の方針に現時点で102店舗が賛同しており、年内に5000店舗の加盟を目指すという。

「われわれは楽天と一緒に成長してきた」

 東京・品川で開いた記者会見には「友の会」の発起人12人が顔を揃えた。工具を扱う「DIY FACTORY ONLINE SHOP」(大阪)の山田岳人、「新潟の日本酒と甘酒 越後銘門酒会」(新潟)の原和正、メンズファッションを扱う「SILVER BULLET」の高木孝、楽器を扱う「chuya-online」(福岡)の高尾太郎、着物を扱う「京都 きもの京小町」(京都)の村井洋仁、衣料品を扱う「イーザッカマニアストアーズ」(兵庫)の今石雄介など、全国から集まった店舗の経営者だ。冒頭で山田が「友の会」設立の経緯を説明した。

「友の会」発起人の面々(筆者撮影)