バイデン蘇生の要因は3つある。
一、若者(特に大学生)を中心に吹き荒れたサンダース旋風は瞬間風速は凄かったが、やはり他の年代層には浸透し切れなかった。
草木は吹き飛ばしても大木を倒すまでには至らなかったということ。
出口調査では、カリフォルニア州の若者層の半数以上がサンダース氏に投票したが、中高年層は「筋金入りのソーシャリスト(実は社会主義者ではなく、民主社会主義者)・サンダース」を受け入れようとしなかったことだ。
二、予備選で勝利するのは、ブルームバーグ氏のように選挙広告に巨額の金をつぎ込んだだけではダメだったということ。
ブルームバーグ氏はスーパーチューズデーの14州のうち11州で何と9200万ドルを投入していた。
史上最大の選挙資金を使っても、大統領選、予備選はカネで決まらない。つまり米大統領選は金権選挙ではなかったということだ。
バイデン氏はほとんど選挙キャンペーンをやらなかったバージニア州やマサチューセッツ州、ミネソタ州でもトップに立ったのがその証拠だ。
三、民主党支持者の間にやっとトランプ打倒への真剣味が出てきたことだ。
サンダース氏が唱える社会格差是正もよし、公立大学学費無償も若者たちにはありがたいことだ。
しかし、新型コロナウイルスが米本土に侵入、感染が拡大する天災が起きた場合、「理想論」を滔々と歌い上げるサンダース氏のようなビジョナリー(理想主義者)に政治は任せておけないことに各州の民主党支持者が気づいたのだ。