白馬にまたがり白頭山に登る北朝鮮の金正恩委員長(中央)と妹の金与正氏(左)(2019年10月16日、提供:Korean Central News Agency/ZUMA Press/アフロ)

昨年末以来続く北朝鮮の異変

 筆者は、2月5日に「新型コロナウイルスで北朝鮮崩壊の兆し」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59207)という記事で、昨年末から北朝鮮で起こっている「異変」について書いた。「異変」を列挙すれば次の通り。

①“人工衛星”状態だった金平一の帰国(昨年12月1日以前)

②党中央委総会は何ら新しいビジョンを打ち出すことができず尻切れトンボ(昨年末)

③ミサイルも発射せず:トランプ氏への「クリスマスプレゼント」は反故に

④金正恩氏の「新年の辞」なし

⑤6年ぶりに金正日氏の、金正日の実妹・金慶喜氏(正恩氏の叔母で、その夫の張成沢氏は正恩に粛清された)妹の健在を確認(1月25日)

⑥人事の刷新:軍出身の李善権氏の外相就任(1月)

 現在、北朝鮮では、深刻な食糧不足で飢餓が深刻化しているとみられる。

 加えて、昨年末に中国で新型肺炎が発生し、飢餓で免疫力が低下した多くの人民に計り知れないダメージを与える恐れが高まっている。

 このように、2つの危機が重なり、北朝鮮は体制崩壊の危機を迎えつつあるとの観測がなされているところである。