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北朝鮮は米国などによる制裁に加え、1990年代の飢餓以来、穀物生産が最悪の落ち込みを見せており、約1000万人(人口2489万人の約40%)が深刻な食料不足に陥っていると見られる。
金正日が政権継承直後の1995年から98年にかけて約300万人が餓死したが、現在、金正恩朝鮮労働党委員長の下でも、深刻な食糧不足の危機が差し迫っている。
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中国で発生した新型肺炎は、それに追い打ちをかけるように北朝鮮に「ダブルパンチ」を見舞う可能性がある。
新型肺炎拡大で中国から北朝鮮向けの物流が途絶し、食糧を含む支援が大幅に低下する事態となり、北朝鮮人民は文字通り「命綱」が絶たれる事態になった。
それに加え、北朝鮮国内で新型肺炎の感染が拡大すれば、食糧不足で免疫力が低下した人民は夥しい犠牲を強いられる恐れがある。
食糧不足による飢餓の深刻化と新肺炎による夥しい人命の犠牲は、金王朝(金正恩)の体制崩壊につながる可能性がある。
本稿では、北朝鮮の体制崩壊事態がいかに生起し、その後どのように展開するのか、具体的に分析をしてみたい。