実は、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、すでに6日の記者会見において、GSOMIA終了可能性を示唆していた。

「我々が望む7月1日(日本の輸出規制)以前の状況に戻っていないことは明らかだ」

「昨年の11月末に私たちが取ったGSOMIA終了猶予とWTO提訴中止は、暫定的措置だった」

「韓国は、状況に応じていつでも再び終了させる権利があり、国益に基づいてこの権利を行使する」

 大統領府が否定したにもかかわらず、外交部が強硬な態度に出たことによって、文在寅政権によるGSOMIA破棄の可能性が再びマスコミの注目を集め出した。この事態に、総選挙を控えた韓国政界も神経を尖らせている。唯一の保守野党の自由韓国党は「再びGSOMIA終了カードを切り出したのは総選挙で無条件で勝たなければならないという焦りのため」とし、「GSOMIA破棄で、反日感情を高めようとしている」と批判した。

 これに対し、民主党の支持勢力に分類される正義党は、「韓日問題で自由韓国党が韓国の味方だという痕跡を探したくてもまったく見当たらない」「今回の総選挙は韓日戦という言葉が無意味に出たわけではない」と、GSOMIA終了を反対する自由韓国党を親日勢力と規定した。

 GSOMIA終了可能性の報じられた12日、韓国の株式市場では「ボイコット・ジャパン」で反射利益を受ける、いわゆる「反日テーマ株」とされる銘柄が急騰した。代表的な銘柄である文具メーカーの「モナミ」は、同日の午前、2019年の営業利益が前年比73.5%減少したという発表があったにもかかわらず、29.9%が急騰する異変を見せた。またユニクロの対抗馬として人気が高い「シンソン通商」と、日本製ビール不買運動の恩恵を受けている「ハイト真露ホールディングス」も、それぞれ17%、19%も高騰した。

武漢肺炎より原発汚染水

 最近の文在寅政権の対日強硬論を感じさせる出来事はこれだけではない。

 中国の武漢で発生した新型肺炎の拡散が韓国内で最大の懸案になっているにもかかわらず、与党の共に民主党議員らは新型肺炎ではなく、日本の福島原発汚染水の海洋放出の動きを主要議題に上げ、連日厳しい非難を続けている。

 李仁栄(イ・インヨン)院内代表は7日、「国民の生命と安全を守るため、国際法的対応も辞さない」と主張。共に民主党の「福島原発汚染水海上放出対応特別委員会」の金漢正(キム・ハンジョン)委員長は、ラジオ番組でのインタビューで「米国で漁業関係者を中心に日本政府に対する集団訴訟の動きがあるが、参加を検討中だ」と明らかにしている。いずれにしても、何らかのアクションを日本に対して起こす可能性が高まっている。