「お使い」レベルのアラビア語

 まず小池氏のアラビア語がどの程度のものかという最も重要な点から検証を始める。

『虚飾の履歴書』で同居女性は小池氏のアラビア語はカイロ大学での勉強には到底ついて行けない「This is a pen」のレベルのものだったと述べている。

 この点について筆者は、2018年6月に、小池氏が原稿を見ないで話している3つのインタビュー動画(ドバイのアル・アーンTV、エジプト国営衛星放送、クウェートのチャンネル1の番組)を視聴して検証した。結果は次の通りで、アラビア語での大学教育に耐えられるレベルからは程遠かった。

(検証記事URL)https://bunshun.jp/articles/-/7909

 今回は、小池事務所がYouTubeで公開している動画(2009年に小池氏がリビアのカダフィ大佐に面会したときのもの)も視聴した。

(動画URL)https://www.youtube.com/watch?v=OzG9ztnBOZo

 小池氏のアラビア語で聞き取れるのは「ワ、ハーザー、ドクトル・マイリ(?)・・・ムマッシル、ムマッシル(そして、こちらはマイリ博士です。・・・代表、代表)」「ラアバ、ラアバ(ゲーム、ゲーム)」のみで、ほとんど会話になっていない。また「これらはあなた(あなたの友人?)に」というごく簡単な発言も英語で言っている(本を渡しながら「ゲーム」と言っているのは、数独の本でも渡しているのか?)。

 小池氏はエジプトで、日本人客の多い旅行代理店グリーンバレー社で当時マネージャーをしていたバヒーク・エル・ゴハリ氏(現バヒトラベル社長)の下でツアーガイドのアルバイトをやっていたりしたので、エジプト口語で「私はツアーガイドです」「(運転手に)私たちは1時にここに戻って来ます」「この値段は高い。5ポンド」といった「お使い」のエジプト口語はできたのだろう。4つの動画のアラビア語はその程度のレベルだ。

 小池氏はアラビア語の通訳をやっていたと自称しているが、たとえその後の経過年数を考慮しても、これで通訳をやるのは不可能だ。もちろん大学レベルの読み書きができたはずもない。できるというのなら、外国人記者クラブで台本なしでアラブ圏の記者とやり取りをしてみせればいいだけのことだ。4年間その言語で勉強し、毎年論文式試験を突破し、学位まで取得した言語は、忘れたくても忘れられないものだ。