米グーグルが14日に発表した1~3月期の決算は、売上高が四半期ベースで過去最高を更新するなど好調な内容だったが、利益が予想を下回ったことから同社株は売られ、同日の時間外取引で一時5%を超える下落となった。
グーグルではこの4月、エリック・シュミット氏に代わって共同創業者のラリー・ペイジ氏が最高経営責任者(CEO)に就任しており、今回はその第1回目の決算発表ということもあって注目されていた。
しかしコスト増が利益を圧迫したこと、ペイジ新CEOのコメントも短く、戦略説明もなかったことから投資家の不安が広がった。
コストはなぜ増えたのか?
同社の主力事業は検索連動型広告だが、それにはパートナーサイトに支払う「トラフィック獲得コスト」という費用がかかる。1~3月期はこれが20億4000万ドルと前年同期の17億1000万ドルから増加した。こうした「営業原価」に加え、研究開発費や従業員の給与、販売マーケティング費用といった「営業経費」が前年から54%増加した。
例えば、研究開発費は12億2600万ドルとなり、前年同期から50%増、販売マーケティング費用は同69%増の10億2600万ドルで、これら営業経費は売上高全体の3分の1以上を占めるようになった。このほかデータセンター、サーバーなどにかかる設備投資額は、前年比3.7倍の8億9000万ドルに増えている。
同社がこうしてコストを膨らませているのは、新興企業との激烈な競争という背景があるからだ。ほんの数年前まで米ヤフーや米マイクロソフトから人材を引き抜いていたのはグーグルだが、同社の成長速度がかつてほどではなくなった今、優秀な人材がフェイスブックやツイッターに流れている。
こうした状況に対処するため同社は昨年、全従業員を対象に特別ボーナスの支給と10%の昇給を実施、最高財務責任者(CFO)のパトリック・ピシェット氏など上級管理職の給与も30%引き上げるなど、打開策を図った。