先日、米グーグルが全従業員を対象に特別ボーナスの支給と10%の昇給を実施すると報じられた。エリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が全従業員に宛てたという電子メールを米ビジネスインサイダーが公開しているが、その中で同氏が明らかにしている。
同氏はその理由について「優秀な人材をグーグルに引きつけるため」と説明している。
グーグルで人材流出相次ぐ
グーグルの社員数は1年前から3600人増えて約2万3300人となった。技術革新のためには優秀な人材が不可欠と考え雇用の拡大に努めているが、その同社は今、人材流出問題を抱えている。
ほんの数年前まで米ヤフーや米マイクロソフトから多くを引き抜いていたのはグーグル。しかし同社の成長速度がかつてほどではなくなった今、状況は逆転しつつあると米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
そのグーグルを悩ましているのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブック(Facebook)などの新興企業だ。
ビジネス向けSNSのリンクドイン(LinkedIn)のデータによれば、過去にグーグルに勤めていたフェイスブックの社員は現在137人いる。
例えばここ最近グーグルからフェイスブックに移籍した人物には、グーグルマップの開発を手がけたラーズ・ラスムセン氏、基本ソフト(OS)「クロームOS(Chrome OS)」のアーキテクト、マシュー・パパキポス氏、モバイルOS「アンドロイド(Android)」の上級プロダクトマネジャーだったエリック・ツェン氏などがいる。
経営幹部のデビッド・フィシャー氏もフェイスブックに移っている。