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 母親は産んでくれただけの人。きっぱりと線引きをして母親には近づかない。母親の愛は断念し、「あるところ」へ行く――「ここしかない」と思わず困難や挫折に対処する能力さえあれば、『どんなことからも立ち直れる人』になれると、早稲田大学名誉教授の加藤諦三氏が教示する。(JBpress)

(※)本稿は『どんなことからも立ち直れる人』(加藤諦三著、PHP新書)より一部抜粋・再編集したものです。

親の愛を断念

 悩んでいる人は29才の既婚女性である。夫は35才。子どもは3人いる。

 彼女が3才の時に、母親と父親は離婚した。ただ離婚する以前から、彼女は父親と会っていない。

 母親は彼女を父親に会わせない。

 母親は「父親には借金があった」と言う。彼女に父親を会わせないのは、「会うと父親が彼女にお金をせびるのではないかと心配だからだ」と母親は言う。

 母親は父親に恨みがあって、娘に会わせたくない。

 最近彼女は母親と仲がよくない。そして「母親とも会わない方がよいな」と思いだした。

 彼女は親の愛を断念して、親とは余りあわなくする。

 これが、プロアクティブ(起きたことに対処する)である。