「標準的なレベルの人が業務を行うと時間はどれくらいかかるか、各タスクの標準工数を規定するために、従業員に、WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)によるタスク管理の延長で実績値を自社システムに入力してもらっています」(秋葉氏)

 WBSによるタスク管理は、ITプロジェクトで広く用いられている手法である。業務を細かなタスクに分解し予定と実績を管理することに対して、現場での抵抗感が少ないというのも、「標準工数」の測定ができた理由のひとつのようだ。

週4日や時短勤務、急な休み・・・業務は滞らない?

 さて、生産性で実力を評価したとしても、「多様な働き方」の中では、こなせる仕事量が減ったり、家族のために仕事を休むケースなども考えうる。日常業務は滞らないのだろうか。

 その点、ライフ&ワークスでは、オデッセイと同様、勤務状況と自分の能力をふまえ、あらかじめタスクの実行日数(時間)の計画を立てて共有するようにしている。

 計画日数(時間)は本人が計画した内容を上司が承認する決まり。長すぎれば「生産性」の面で問題になるし、短すぎて達成できないとなれば、かえってプロジェクトが混乱するからだ。もし、それでも業務が遅延するようなことがあれば、他のメンバーがサポートすることになるが、ほとんどの場合、個人単位でリカバリーできているという。

「(たとえ子どもの発熱で休んだとしても)立てた計画日数の中でリカバリーできれば問題ありません」と秋葉氏は断言する。

 実際、時短で働く育児中の女性に話を聞くと、「出社したら、30分単位で何をするかを決めています。子供の病気による急な休みなどで気持ちの面で申し訳ないと思う事はありましたが、仕事が遅延して問題になることはなかったです」という。

 細かなタスク管理や「生産性」という評価指標に紐づく、一見厳しい「実力主義」は、特に時短勤務中でも生産性が高い(時間あたりで仕事をこなせる量が多い)社員にとっては、「働きやすさ」につながっていると言えそうだ。

 秋葉社長が、こうした「働きやすさ」を含めた「従業員環境満足」を強く意識して、制度づくりを始めたのが10数年前のこと。「後編」では、その経緯についてお伝えする。

(後編へ続く)