おわりに

 現在メディアなどにおいて話題になっている「中国とロシアの同盟の成立」は難しいと思う。なぜなら、同盟には相互防衛の義務が伴うが、ロシアは中国が絡む紛争に関与したくないし、中国もロシアが絡む紛争に関与したくないからだ。

 一方で、大国間競争の時代におけるハイテク分野における中ロの協調は現在進行中であり、世界に大きなインパクトを与えるであろう。

 中国やロシアが普通の民主主義国家であれば問題がないが、中国は共産党一党独裁体制を強化し、ロシアではプーチン大統領が中央集権体制を強化している。

 このような権威主義国家同士の密接な協力関係の進展は、安全保障、世界経済、人権、各国の競争力という観点で民主主義諸国において大きな懸念となっている。

 特に、中国とロシアは、検閲と監視を強化する技術についても協力しており、中国のデジタル監視社会を支えている監視技術やシステムのグローバルな拡散は望ましいことではない。

 また、知的財産窃盗、不適切な技術移転にも適切な対処が必要だ。そして、両国は国家の「サイバー主権」と「インターネット管理」において、自国にとって望ましい考えを正当化し促進し、国際基準にしようとしている。

 日本と米国は、志を同じくする民主主義国家と連携して、中ロからの技術的な奇襲のリスクを軽減し、将来の脅威を早期に回避する努力が急務になるであろう。