●人工知能、ビッグデータ、ロボット工学

 中国とロシアにとって、人工知能は技術協力における最優先事項となっている。

 例えば、ビッグデータの共有を拡大するために、中ロの「ビッグデータ本部基地プロジェクト」が進められているほか、AI技術特に自然言語処理を活用して、中国とロシアの企業向けに国境を越えた商業活動を促進するプロジェクトも開始されている。

 ロシアは、技術革新において独自の強みを有しており、多くの科学技術分野において顕著な革新を達成している。中国とロシアは独自の経済的潜在力を持ち、多くの分野で協力の豊富な経験を有している。

 ロシアのAI市場における世界シェアは小さいが、その市場は成長し成熟しつつある。ロシアの科学者と中国のロボット企業が協力して、ロボット工学と人工知能の分野でさらなる飛躍を遂げることができる。

 ロボット工学の分野で中国と協力するには、医学が最も有望かもしれない。

 AIの進歩は、大規模なコンピューティング能力、機械学習するのに十分なデータ、そしてそれらのシステムを操作する人間の才能にかかっている。

 今日、中国はコネクテッド・カーや顔・音声認識技術などのAIのサブカテゴリで世界をリードしている。

 ロシアは産業の自動化、防衛・安全保障アプリケーション、監視において強みを持っている。人工知能における中ロの協力関係は、拡大することが期待される優先課題である。

●デジタル経済

 中国の巨大IT企業は、ロシアで生まれつつあるデジタル経済にビジネスチャンスを見出している。中国企業がこの市場に参入するにつれて、ロシアのデータ・センターの能力は向上している。

 例えば、この1年間で、600以上のテンセント・ラック(サーバーの置き棚)がモスクワに設置され、同社の最大のプロジェクトとなった。

 テンセントのインフラは、クラウドサービスとゲームの開発に使用される。このプロジェクトは、ヨーロッパでインターネットユーザ数が最も多いロシア・テンセント(ユーザー数約1億人:75%の浸透率)に新しい可能性を切り開くものである。

 アリババは、ロシアの億万長者アリシャー・ウスマノフ(Alisher Usmanov)のインターネットサービス会社メイル(Mail)と20億米ドルのジョイント・ベンチャーを設立した。

 1億4600万人が住むロシアで、両社のオンライン市場を統合するという。この取引はロシア政府がロシア直接投資基金を通じて支援しており、現地の投資家が共同で新事業を管理することになっている。