連邦議会の海軍への批判はそれだけにとどまらない。現時点における米海軍空母戦力の有事即応状況は、アメリカの国防上重大な危機をもたらしかねないほど貧弱な状況であり、海軍が打ち出している運用計画や空母建造計画そのものを見直さねばならないのではないか──という軍事的側面からの海軍当局に対する追及も強まっている。

トラブル続きの最新鋭原子力空母

 連邦議会で取り上げられている空母問題の筆頭は、最新鋭原子力空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)の実戦配備が遅れに遅れている状況である。

 2017年7月に、それまで8年近くの年月をかけて建造された新型ジェラルド・R・フォード級原子力空母の1番艦ジェラルド・R・フォード(以下、CVN-78)が米海軍に引き渡された。当初の予定では、CVN-78は2020年中には実戦配備が開始されることになっていた。しかしながら、実戦配備に向けての各種テストが開始されると、様々な欠陥や問題点が噴出した。

 CVN-78には、電磁カタパルト式発艦装置をはじめとする多くの最新テクノロジーが盛り込まれている。そのため、運用に向けての各種テストにある程度の長時間が必要となることは予想されてはいた。ところが、実際に要した時間は予想以上だった。目玉装備である世界初の電磁カタパルト式航空機発艦装置、先進型航空機着艦制御装置、先進型兵器用エレベーター、デュアルバンドレーダーシステムなどに問題点が見つかった上、動力システムまで不調であったため、就役早々15カ月にわたる大規模メンテナンスが必要となった。

 ようやく長期にわたるメンテナンスが完了し、メンテナンス後初の海上テストを終えたCVN-78は、10月25日にニューポートニューズ造船所に無事帰還した。海軍当局は、CVN-78が抱える様々な問題点の解決は着実に進んでおり、海上テストにおいても「見事に高速ターンを成し遂げた」と、順調にメンテナンスが完了した旨を強調している。

海上テストで高速ターン中のCVN-78(上下とも、写真:米海軍)