(北村 淳:軍事社会学者)
先月(9月14日)、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」(アメリカなどはイランによるものと考えている)が長距離巡航ミサイルと無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を用いてサウジアラビアの石油施設を攻撃した。その詳細が明らかになるにつれ、かねてより懸念されていた自爆攻撃をはじめとするUAVによる攻撃の脅威が高まっている現実が再認識されている。
巡航ミサイルと新鋭自爆型UAVが攻撃
石油施設攻撃直後には、10機以上のUAVによる自爆攻撃と考えられたが、やがて長距離巡航ミサイルと自爆型UAVによる、より高度な攻撃であることが判明した。サウジアラビア当局は、攻撃を受けた現場の残骸を公表するとともに、今回の攻撃は7基のクッズ-1長距離巡航ミサイルと18機の自爆型UAVによるものであったことを明らかにした。
クッズ-1巡航ミサイルは、2019年7月にフーシ派が保有していることを公表した新鋭ミサイルである。フーシ派は自らが開発した巡航ミサイルであると主張しているが、イランが開発したものと考えられている。