アジア経済新聞は、日本旅行ボイコットの影響を受けた韓国航空会社の業績悪化状況を報じた。同紙は、「8月の国際線旅客数は、前年同月比4%増加した」と報じながら、「外国系航空会社が13%増えたことに対し、韓国系航空会社は停滞している」と指摘した。また、「韓国系LCC社の収入の40%を占める日本路線の8月旅客数が24%減少したが、東南アジアや中国路線の旅客の増加はそれぞれ19%、13%で、日本需要の低迷を挽回するには至らなかった」と説明した。結局、最盛期の第3四半期(7月~9月)の実績も期待値に遠く及ばないと見られる中、非需要期の第4四半期に突入してしまうことになりそうで、韓国航空業界の悩みが深まっていると指摘している。
これと関連し、17日には韓国の代表的なLCC社のイースター航空が創業以来初めて「非常経営体制」に突入すると発表した。イースター航空は客室乗務員に3カ月間の無給休暇取得を要請。さらに業績悪化が長期化した場合、人材削減を含めた強力な構造調整に突入することを明らかにした。朝鮮日報によると、アシアナ航空が共同経営するLCC社のエア・プサンも来年の上半期の採用を減らす見通しであり、6つの韓国LCC社がいずれも最盛期の3四半期に経営赤字が予想されるという。
日韓対立でじわじわ苦痛が広がりだした両国
日本企業の韓国市場からの撤退も続く見通しだ。毎日経済新聞によると、2006年に韓国に工場を設立したAGC(旧旭硝子)が工場撤退を決定し、韓国事業から完全に撤退するだろうという観測まで出ている(*ただし同社はこの報道を否定。すでに操業を停止しているプラズマディスプレーパネル向け製品を製造していた工場を閉鎖・清算するのみとのこと)。昨年同期に比べて87.4%も販売が減少した日産自動車にも撤退説が囁かれている。
不買運動によって韓国に進出している日本企業の打撃が長引けば、韓国市場からの撤退は加速化するだろう。同時にこれは、9カ月連続で投資減少が続いている韓国経済界をさらに苦しめることになる。IMF以来最悪の就職難に苦しむ韓国の若者たちが被害をもろに受けることは目に見えている。
すでにルビコン川を渡ってしまった日韓間の葛藤が、両国国民に及ぼす経済的な悪影響は今後もさらに大きくなるものとみられる。