先端兵器を総動員して軍事大国を誇示した中国の国慶節行事が開かれた10月1日、韓国では「国軍の日」71周年記念イベントが開かれていた。
「国軍の日」の起源は1950年10月1日、韓国軍が南侵した北朝鮮軍を反撃しながら北へと前進し、38度線を突破した出来事にある。韓国政府はこの日を韓国軍の創設日とし、国家的な記念式典を行ってきた。
歴史的な意味から、この日は徹底して北朝鮮軍に向けて韓国軍の威容を誇示するイベントを開催するのが韓国歴代政権の慣例だった。特に5年ごとに開催される閲兵式と街頭行進は、韓国人の安全保障に対する自負心を高める意味も持つ大々的な「国軍パレード」だ。
「反日イベント」と化した韓国「国軍の日」記念行事
しかし、南北関係改善を至上課題に据えている文在寅(ムン・ジェイン)政権は、北朝鮮を刺激する恐れから、これまで国軍の日イベントを大幅に縮小して開催してきた。70周年を迎えた昨年も閲兵式を省略したまま、夕方の時間帯に室内で開いた人気歌手の記念公演で国軍の日の記念行事を代替したほどだ。
ところが、この70周年行事が韓国内で、「過度に北朝鮮の顔色をうかがいすぎだ」「弱軍パレードだ」といった激しい非難を呼んでしまった。南北和平ムードに執着するあまり、韓国軍の士気を落としたという指摘もあった。
その反省からなのだろうか。文在寅政権は、今年の10月1日には、北朝鮮の代わりにまるで日本を「仮想敵国」にするようなスタイルで、大々的にイベントを開催してみせた。