今年の国軍の日の記念式典は、初めて大邱の空軍基地で開催された。記念式典に出席した文在寅大統領は朝鮮戦争ではなく、独立運動を強調し、韓国国軍の根が独立軍にあるという主張を繰り広げた。
「約100年前の新興武官学校から始まった陸軍、大韓民国の臨時政府の飛行学校から始めた空軍、独立運動家と民間商船の士官たちが自発的に創った海軍まで、韓国軍の根は独立運動と愛国にあります」
「韓国軍は独立運動に根ざした『愛国軍隊』であり、南北和解と協力を率いる『平和の軍隊』であります」
ニュース通信社である連合ニュースは、文大統領の同日の祝辞が「強軍、和合、克日の3つのメッセージを含んでいる」と評価した。
「反日の象徴」デニー太極旗
閲兵式と街頭行進の代わりに繰り広げられた韓国空軍の飛行パレードも露骨な「反日イベント」となった。「領空防御任務」という名前で進められた飛行パレードは、F-15K戦闘機4台がそれぞれ独島(竹島)、稷島、済州島を約20分間哨戒飛行し、操縦士らが任務遂行状況を大型スクリーンを通じてリアルタイムで報告するという内容だった。
F-15K戦闘機は米空軍がボーイング社のF-15を変形して開発した対韓国輸出用の戦闘機で、韓国空軍の主力戦闘機である。最大射程が500kmに達するタウラス・長距離空対地ミサイルを装着し、重さが2.5トンにも達する地下施設物破壊に特化されたGBU-28バンカーバスターも搭載されている。韓国空軍はこれを計60機導入したが、その1機が2018年に墜落事故を起こし、現在は59機が運航中だ。この日、北朝鮮の領空からはるかに離れた独島(竹島)上空に2機、韓国領海の西南に位置した稷島、そして済州島にそれぞれ1機というF-15Kの出動は、明確に日本を狙ったイベントだった。
イベントで使われた太極旗(韓国の国旗)も反日を象徴する「デニー太極旗」が選ばれた。
デニー太極旗とは、最も古い太極旗で、大韓帝国最後の王である高宗によって、1890年にアメリカ人の外交顧問オーウェン・デニーが本国に帰国する際にプレゼントされた太極旗だ。2018年、旭日旗掲揚問題をめぐって日本の自衛隊が参加を見送った済州の観艦式で、独島艦がこのデニー太極旗を掲揚した。当時の行事を企画したタク・ヒョンミン大統領行事企画諮問委員は「デニー太極旗は旭日旗に対抗する韓国の国旗」と説明したほどだった。
そういう経緯があるからだろう。今年の国軍の日のイベントにデニー太極旗が使われたことについて、東亜日報系列のケーブル局のチェンネルAは、「国軍の日の行事に対する北朝鮮の反発を考慮し、デニー太極旗の掲揚を通じて、北朝鮮ではなく周辺国、特に日本を狙ったイベントだというメッセージを与えるという意図だ」と分析した。