コレステロールはなぜ「悪者」扱いされてきたのか

「卵は1日1個まで」はもはや昔の話

2019.07.05(Fri)佐藤 成美

 コレステロールは腸粘膜や皮膚、腎臓など体中の組織で合成されるが、その中心は肝臓だ。

 肝臓で合成されたコレステロールは、血液によって全身の細胞に運ばれる。しかし、水には溶けないコレステロールは、そのままでは運ぶことができない。そこで、「リポタンパク質」という水にも脂質にもなじみやすい性質のタンパク質と複合体をつくり、運ばれる。

 一方、細胞内で過剰になったコレステロールは肝臓に戻されるが、やはりそのままでは運べないのでリポタンパク質との複合体をつくる。これらの仕組みで生体内のコレステロールの濃度は保たれているのである。

 なお、小腸で吸収した食事由来の中性脂肪などの脂質も肝臓に運ばれる。もちろんこれらも水に溶けないので、リポタンパク質との複合体がつくられる。

「悪玉」を追うと、酸化LDLコレステロールにたどり着く

 リポタンパク質にはキロミクロン、VLDL(超低密度リポタンパク質)、LDL(低密度リポタンパク質)、HDL(高密度リポタンパク質)などの種類がある。

 これらリポタンパク質のうち、VLDLは肝臓で合成された中性脂肪をコレステロールなどともに脂肪組織に運ぶ。そして中性脂肪を放出したVLDLが、LDLに変換される。つまりLDLは、中性脂肪が放出されたため、相対的にコレステロールの割合が多い複合体ということだ。

 このLDLが、コレステロールを必要とする末梢組織にコレステロールを運ぶ。一方、過剰なコレステロールを回収するのはHDLだ。

LDLは肝臓でつくられたコレステロールを全身の抹消に運ぶ。HDLは過剰なコレステロールを肝臓へと回収する。
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