昨年、スタイルナンダ(STYLE NANDA) というネット販売から始めた韓国のブランドが世界最大の化粧品会社、ロレアル(LOREAL)に身売りしたという記事(2018年4月16日:「男社会の韓国で、ついに大きな山が動き始めた」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52864)を書いた。
その後、正確な金額は公表されていないもののおおよその売却額が分かってきた。推定約6000億ウォン(約600億円)だという。
コスメベンチャーのエグジットとしては相当な金額と言えるだろう。
最近、そのスタイルナンダの創業者で元CEO(最高経営責任者)のキム・ソヒ氏が、韓国の重要文化財に指定された96億6800万ウォン(約9億6000万円)の古民家をキャッシュで購入したというニュースが韓国で話題を呼んでいる。
その古民家は、ソウル市が2007年に文化財資料第27号に指定している物件。文化財資料ではあるが個人の所有なので、所有者の思い通りに活用することができる。
近隣には韓屋(ハノク:韓国の伝統家屋の名称)を改造した高級住宅が立ち並び、大企業のオーナーや企業家、不動産富豪などの大邸宅が集中しており、おそらくキム元代表も居住目的で購入したとみられる。
この古民家は、「スタイルナンダ御殿(筆者が勝手に名づけた)」になる可能性が高そうである。
それだけでなく、キム元代表は今年1月、ソウル鍾路区の大学路にある地下2階~地上5階建てのビルを165億ウォンで買収した(それもキャッシュで)。
また、ソウルで一番地価の高い明洞や若者が集まるホンデ、カロスギルなど、いわゆる有名スポットにスタイルナンダ(アパレル)と化粧品ブランド「3CE」のフラグシップストアとして使っているビルを所有している。