アマゾン、配送業に参入へ 米紙報道

米カリフォルニア州トレーシーにあるアマゾンの配送施設で商品を仕分けする従業員(2015年1月20日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / GETTY IMAGES NORTH AMERICA / JUSTIN SULLIVAN〔AFPBB News

 米物流大手のフェデックスは6月7日、米国内の航空貨物輸送について、米アマゾン・ドットコムとの契約を打ち切ることを明らかにした。米メディアによると、契約は今年(2019年)6月30日で終了するが、フェデックスはこれを更新しない。

アマゾンとのビジネス以外にも著しい需要と成長機会がある

 その理由について、「より広範なeコマース市場に向けてサービスを提供することに重点を置く戦略的意思決定」とフェデックスは説明している。ただ、米国内の陸上輸送や国際貨物など、それ以外のサービス部門とアマゾンとの契約は今後も継続する。

 フェデックスによると、2018年にアマゾンからもたらされた収入は、同社全売上高のわずか1.3%程度で、アマゾンは同社にとって、とりわけ大口顧客ではないという。

 一方、米国eコマース市場の貨物取り扱い個数が、現在の1日当たり5000万個から、2026年には2倍の1億個になると見込んでおり、この市場には、著しい需要と成長機会がある、としている。

 米国ではアマゾンと物流大手の競争が激化している。今回のフェデックスの新たな方針は、こうしたタイミングで発表されたと、ウォールストリート・ジャーナルCNBCなどの米メディアは報じている。

アマゾン、物流分野への進出拡大

 アマゾンは、米国に巨大な航空貨物ハブを建設する計画である。ケンタッキー州ヘブロンのシンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港に建設するもので、2021年の開設を予定している。その面積は約28万平方メートル(東京ドーム6個分)。アマゾンはこの施設に約15億ドル(約1600億円)を投じる。