生卵と半熟卵と固ゆで卵、消化がよいのはどれ?

知らないことだらけの「食べものが吸収されるまで」

2019.06.07(Fri)佐藤 成美

消化が悪い食物繊維にもメリットあり

こんにゃくは食物繊維の宝庫。よって消化吸収されにくい。

 キノコや海藻、タケノコなど食物繊維を多く含む食べものは消化が悪い。先に挙げたように、食物繊維とは消化酵素で消化されない成分をいい、そのほとんどが消化、吸収されずに体の中を通過する。野菜や果物に含まれる水溶性のペクチンや不溶性のセルロース、コンブやワカメのぬるぬる成分がその例だ。

 学生には何やら誤解が生じていたようだが、消化が悪いのは「体に悪い」という意味ではなく、消化しにくいということである。細かく刻んだり、やわらかく煮込んだりと調理法を工夫すれば消化しやすくなり、必要な栄養分を摂取することができる。

 また、消化が悪いことのメリットをいろいろなところで利用している。多くのダイエット食品は「ノンカロリー」をうたっているが、これは消化吸収されない成分だからである。ダイエット食品でよく知られる寒天やこんにゃくには食物繊維が多く含まれており、食べてもほとんど消化吸収されないので、エネルギー源にならない。ダイエットシュガーも、消化吸収されない、あるいはされにくい甘味成分なのだ。

 水溶性の食物繊維は、水に溶けると粘性が高まり、胃の中に長くとどまる。また、消化管の中の移動もゆっくりだ。このことは食後の血糖値の急上昇を防ぎ、糖尿病傾向にある人や糖尿病患者には有利だと考えられている。

 また、消化されにくい食物繊維は大腸まで移動するので、ビフィズス菌など腸内細菌の栄養分になる。腸内細菌と健康のかかわりが注目されており、摂取すれば腸内環境の改善につながる、腸内細菌の餌になる食物繊維はプレバイオティクスと呼ばれる。ただし、食物繊維を食べすぎれば下痢をするし、他の栄養素の吸収を妨げるおそれもあるので注意したい。

 理科で学んだ消化を結びつけて考えると食べものも理解しやすい。じめじめの季節もかしこく食べて乗り切りたいものだ。なお、アルコールやコーヒー、香辛料を多く含む食品は胃を刺激するので、体調の悪いときは控えたほうがいいことも付け加えておく。

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